食文化

秋の味覚の王様「サンマ」の栄養とおいしい食べ方、漢字の雑学まで徹底解説

2025年は奇跡の大豊漁、食べるなら今!

「サンマ1尾で、1日分の栄養がまるごと摂れる!」

そう聞くと、つい食べたくなりませんか?

2025年は“奇跡のサンマ年”とも呼ばれるほどの大豊漁。いまこそ旬の味を健康的に楽しむチャンスです。

この記事では、サンマの驚くべき栄養と効果、食べ合わせの知恵、知っていると話したくなる雑学や漢字の秘密まで一気にご紹介します。

栄養の宝庫のサンマ、健康効果

サンマは細長い体に栄養がぎっしり詰まった「海の健康食材」です。サンマに含まれる主な栄養素は次の通り。

  • 良質なたんぱく質(必須アミノ酸がバランス良く含まれる)
  • 骨の健康を守るビタミンD
  • 貧血予防に効果的なビタミンB12・鉄分
  • 骨や歯を支えるカルシウム
  • 脳の健康や成長に良いとされるDHA
  • 血液をサラサラにするEPA

特にDHAとEPAは、成人女性が1日に必要とする量を十分にカバーできる水準。生活習慣病を防いだり、コレステロール値の改善や目の健康を保ったりと、まさに現代人の健康を支える魚なのです。

サンマと大根おろし・スダチの科学的相性

サンマの塩焼きに欠かせない「大根おろし」と「スダチ」。実はこの組み合わせ、味だけでなく栄養の面でも理にかなっています。

  • 大根おろし:消化酵素(ジアスターゼ、リパーゼ)が脂質を分解し、胃もたれを防ぐ。
  • スダチ:クエン酸が鉄分の吸収を高め、疲労回復にも効果的。カボスやレモンでも同じ効果がある。

大根おろしの辛みがサンマの臭みを消し、スダチなどの柑橘の酸味が脂を軽やかにしてくれます。大根おろしの酵素は熱に弱いため、食べる直前に添えるのが良いでしょう。

さらに、焼き魚の焦げには発がん性物質が含まれていますが、大根をすりおろすことで生成される辛味成分イソチオシアネートには、がんによる死亡リスクを低下させるという報告があります。

サンマの雑学 なぜ魚へんの漢字ではないのか

サンマの漢字は「秋刀魚」。秋の刀のような姿をした魚と書きます。

しかし、多くの魚には魚へんの漢字があるのにサンマにはないのか、不思議に思ったことはありませんか?

これについて、日本漢字能力検定協会(漢検)にたずねてみると、次のように説明してくれました。

漢検 漢検の出題範囲(約6000字)のなかには、サンマを1文字であらわす漢字はありませんが、サンマを表す魚へんの一文字の漢字が存在しないとは言い切れません。

えーーー⁉

漢検 と言いますのも漢字は5万、6万ともあるといわれており、「この世に絶対に存在しない」とは言い切ることができないためです。

うーん、深い。。。漢字の世界の奥深さを感じていると、諸説あるとしながらも、由来や歴史を教えてくれました。

漢検 もともとは、体が細長いという意味から「狭真魚(サマナ)」と呼んでいた魚が、「サンマ」へと変化したようです。かつては、一文字で表す「「鰶」(魚+祭)」という漢字が使われたり、「三馬」「三摩」などの字も使われていました。現在の「秋刀魚」という表記が定着した背景には、大正時代の詩人・佐藤春夫による「秋刀魚の歌」(1922年)の存在が大きいといわれています。

「あはれ秋風よ情(こころ)あらば伝へてよ――男ありて今日の夕餉にひとりさんまを食ひて思ひにふける と。さんま、さんまそが上に熱き涙をしたたらせてさんまを食ふはいづこの里のならひぞや。あはれ、げにそは問はまほしくをかし」

この作品は、谷崎潤一郎の妻・千代をめぐる恋愛スキャンダルを背景にしており、文学史的にもサンマの知名度を高めるきっかけとなりました。

サンマの内臓がおいしい理由は「無胃魚」だから

さて、サンマは胃を持たない「無胃魚(むいぎょ)」でもあります。そのため、食べたものはすぐ腸へ送られ、効率的に消化・吸収されるのです。

  • 食べたプランクトンが腸に長く留まらない
  • 排泄まで20~30分と驚異的なスピード
  • 夜の漁獲時には内臓がほぼ空っぽ

サンマの内臓が食べられる理由はそこにあり、だからこそ、新鮮なサンマは苦みが少なく、おいしいとされるんです。内臓にはビタミンA、ビタミンB12、DHA・EPAなど栄養が豊富です。

一方で、魚の内臓には水銀がたまるのではないか、と心配する声もありますが、サンマのような青魚に含まれる水銀量は低く、通常どおりの量を食べても問題ありません。

参照:厚生労働省「お魚について知っておいてほしいこと」 
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf

うんちくとともにサンマを味わって

2025年はサンマの大豊漁。価格も1尾100円台と手頃で、栄養たっぷりの旬の味覚を楽しむ絶好の年です。

・サンマはDHA・EPA・鉄分・ビタミンDが豊富で、1尾で丸ごと健康サポート
・大根おろしやスダチと一緒に食べることで、消化促進&栄養吸収アップ
・「秋刀魚」の漢字や「無胃魚」という雑学で、食卓がもっと楽しくなる

塩焼き、刺身、蒲焼き、煮付け、骨せんべい…あなたはどんなサンマの食べ方が好きですか? 「奇跡の年」のサンマを、誰かに伝えたくなるうんちく、豆知識とともに食卓で味わってみてください。

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飯田みさ代

飯田みさ代

大人女子健康プロデューサー/ウォーキング講師

記者・編集者として日刊スポーツ新聞社に34年間勤務。紙面だけでなく、Webやモバイルサイトのコンテンツ制作にも長く携わる。ジュニアアスリートの食事を支える情報サイト「アスレシピ」では編集長を務め、成長期の子どもを持つ保護者、特に母親たちから多くの支持を集めた。

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