神奈川県でも、久しぶりに積雪がありました。
今朝はなんとマイナス8℃。
八ヶ岳では標高が高いので珍しくありませんが、ここ神奈川でこの気温を見たのは初めてです。
こんな冷え込みの日に、思い浮かぶ食材があります。
今日は「酒粕」のお話です。
お酒は飲めなくても、酒粕は使います
みなさんは酒粕、お好きですか?
私は下戸で、アルコールはまったく飲めません。でも酒粕は、昔から使っています。
酒粕は日本酒づくりの副産物として、古くから利用されてきました。
奈良時代にはすでに食材としての記録があり、平安時代には薬効が注目され、宮中でも重宝されていたそうです。
“冬の栄養源”だった酒粕
江戸の町では、冬になると「粕汁」が庶民の定番料理でした。
酒蔵の周りには酒粕を求める人が列をつくり、酒粕は“冬の栄養源”として欠かせない存在だったといいます。
ビタミンB群やアミノ酸が豊富で、
当時の人々にとっては貴重な栄養補給。
今で言えば、人気の「健康食品」ですね。
諏訪で出会う、冬の酒粕
私は毎年、年末になると八ヶ岳から少し足をのばし、諏訪で酒粕を手に入れます。
諏訪地域は、霧ヶ峰からの伏流水と寒冷な気候に恵まれ、江戸時代から多くの酒蔵が集まる土地。
諏訪湖の周囲を取り巻くように酒蔵が点在しています。

酒粕は、搾りたてがいちばん香り高く、フレッシュで甘い香りが強いのも冬ならでは。
冷たい空気の中で手に入れる酒粕は、まさに“旬の味”です。
ダイヤ菊の酒粕の使いやすさ
酒粕には、板状の「板粕」と、柔らかい「練り粕」があります。
諏訪・戸田酒造のダイヤ菊の酒粕は比較的しっとりしていて、手でちぎりやすいタイプ。

粕汁にしても溶けやすく、料理にとても使いやすいと感じています。
蔵によっては発酵香が強く出ることもありますが、ダイヤ菊のものはまろやかで、
粕汁、甘酒、漬物など幅広く使える“万能型”だと思います。

戸田酒造株式会社。販売しているところはこの樽の後ろ側。諏訪地域といってもこちらは茅野になります。
我が家での酒粕の使い道
我が家では、年間を通して酒粕を使います。
味噌汁にちぎって入れたり、
夏の合宿所ではきゅうりを粕もみに。
合宿のカレーに入れると、辛さがぐっとまろやかになりました!

酒粕を入れたキーマカレー。子どもたちにも親にも普通に「おいしい!」と好評でした。
そして…冬はもちろん、甘酒にも。

こちらは牛乳をいれたミルク甘酒。
味噌づくりに酒粕を使うという工夫
少し変わった使い方ですが、
以前、自家製味噌を仕込んだ際に、
通常は塩で蓋をするところを、板粕で覆ったことがあります。
塩で蓋をすると、最後に混ぜ込む際どうしても塩分が増えますが、
酒粕ならその心配がありません。
しかも味噌との相性がよく、そのままなじんでしまいます。
もし今の時期に味噌を仕込む機会があれば、
試してみるのもひとつです。
酒粕は“蔵の個性”そのもの
近年は酒粕の美容効果が注目され、
化粧品にも使われています。
杜氏の手が白く美しい、という話も有名ですね。
同じ「酒粕」でも、香りや食感は蔵ごとにまったく違います。
それもまた、酒粕の面白さ。
冷蔵保存ならフレッシュな香りを楽しめ、
冷凍すれば長期保存も可能。
常温で置くと熟成が進み、
色が飴色に変わり、旨味が増していく変化も楽しめます。
冬のうちに手に入れて、1年楽しむ酒粕
ぜひ、冬が旬の酒粕をこの時期に手に入れて、一年を通して少しずつ使ってみてください。
寒さの中で育まれてきた、日本の発酵の知恵。酒粕は、そんな背景ごと味わえる食材だと思います。