食物アレルギーとは?
前回のコラム(花粉と関連する食物アレルギーとは/アレルギー表示にない食品にも注意しましょう!)では、近年大人の食物アレルギーが増えている要因の1つともいわれている花粉-食物アレルギー症候群について紹介をしました。今回は食物アレルギーの豆知識として、アレルゲンやどのような症状なのか、救急車を呼ぶ必要性がある緊急時の対応についてポイントを絞って再確認していきます。
では、そもそも食物アレルギーとは何でしょうか。本来は無害であるはずの食物を異物として認識し、過剰な免疫反応が起きて、様々な症状が出る反応のことを言います。
原因食物とは?
次に、どのようなアレルゲンがあるのか再確認しておきましょう。近年のアレルギーになりやすい食物は、消費者庁の令和6年度食物アレルギーに関する調査報告から一部抜粋し、下記の表にまとめています。

令和6年度 消費者庁 「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」より
年齢によってアレルギーになりやすい食物が異なります。成人に多い原因食物は、小麦、えび、大豆でした。他にも、甲殻類、魚類、果実類なども成人に多い原因食品といわれています。
主な原因食物は、下記の通りです。

スーパーやレストランなどで「アレルギー特定原材料8品目不使用」「アレルギー特定原材料28品目不使用」という表示の入った食品やメニューを見かけたことのある方も多いと思います。これは、食物アレルギー症状が出現しやすい症例数や重篤な度合いから勘案して、表示する義務のある食品(8品目)と推奨している食品(28品目)が法律で定められています。法律が施行され、課題は一部あるものの、消費者が安心して食品を購入したり、家庭外で食事がしやすくなりました。
赤字のカシューナッツは、令和7年度中に義務表示の食物に入る予定です。今後のニュースに注目しておきましょう。
なお、アレルギー特定原材料28品目以外にも原因食物はあります。アレルギー症状として多い原因食物は、下記の通りです。
・魚類
・貝類
・種実類、木の実類(カカオ、ピスタチオ、松の実、かぼちゃの種、ひまわりの種等)
・果実類
・野菜類
・肉類
などがあります。
症状について
次にどのような症状が出やすいのか、下記の図で確認しましょう。

症状は皮膚症状が多く、他にも多彩な症状が同時もしくは別々に出てきます。症状の出現については、個人差があります。(食物アレルギーと思われる症状が出た場合には、原因食物を食べたおおよその時間や症状の出た時間、症状についてメモしておくことをお勧めします。医療機関で説明する時に便利です。)
重篤な症状の場合は?
食物アレルギーは生命に直結する疾患の1つです。緊急性を伴う症状が出ている場合には、躊躇わずに救急車を要請しましょう。緊急性が高い症状は下記の通りです。
【全身】
ぐったり、意識もうろうとしている、脈が不規則もしくは脈が取りにくい
【呼吸器】
喉や胸が締め付けられる、声がかすれる、犬が吠えるような咳、息がしにくい、ゼーゼーする呼吸
【消化器】
我慢できない強い腹痛、繰り返しの嘔吐
上記症状が1つでもあてはまる場合には、その場で安静にして、患者さんがエピペン※1を保持している場合には使用しましょう。そして、すぐに救急車(119通報)を要請してください。
(※1:アナフィラキシーの症状が出た際に、症状の悪化を抑える補助治療剤。注射針一体型自己注射用製剤)
今回は食物アレルギーの基礎知識の一部を紹介しました。食物アレルギーではない方も食物アレルギーについて理解することで、ヒヤリハットを防ぐヒントにもなり、食物アレルギー患者さんにとって安心材料となることと思います。楽しい食卓の豆知識の1つになりましたら幸いです。なお、食物アレルギーは個人差が大きいため、1人1人に適したサポートを行うようにしましょう。
また、今は食物アレルギーの症状がない場合でも、今後食物アレルギーと思われる症状が出てきて不安に思うことがありましたら、医療機関を受診しておきましょう。
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