親の介護について考える、そんな40代、50代の女性が多いのではないでしょうか。
「女性の心と体を癒すかかりつけアドバイザーの松田幸子」です。現在、私が運営しているパーソナルジム リコンディションのお客様には70代から80代の方が多くお越しです。例えば、80歳の方が両手に5kgのダンベルを持ってスクワットしています。そのため
親が自分の脚で歩き続けるためには、どうしたらよいか?
という相談を40代、50代のお客様から受けます。
参加者が変えた転倒予防教室の目的
以前、行政でご依頼をいただき高齢者の転倒予防教室講師をしていたことがあります。教室の目的は「転倒予防」はもちろん「独居の方が外に出るきっかけを作る」ことでもありました。
初回参加者は 8 名、内容は簡単な運動30分と仲間作りと称したお茶会30分です。そのうち「もっと運動したい」という声が多くなり、運動を 1 時間する事になりました。私は管理栄養士を持った運動指導者として、せっかくなら健康知識を学びながら運動する教室にしたいと思い、10 分に一度の飲水タイムや運動した後のおやつ(間食)の話など小ネタをいれながら指導しました。
運動+αで教室に来ることが楽しくなる参加者
回を重ねるにつれ、教室を始める前に、参加者が私にいろいろ伝えてくれるようになりました。
「先生みたいな運動用の服を買ったの」
「せっかくお水を飲むからペットボトルホルダーを作ったわ」
「息子に運動靴を買ってもらったの」
いつの間にか、口コミで参加者は30 人を超え、カートを押してくる方や酸素吸入をしながら足を運ぶ方もいました。60 代から 80 代後半の方が同じ環境で行うため、「同じ筋肉を使う、強度が異なる運動を紹介」しました。立位や座位、様々です。そのため参加者と次のような約束をしました。

- 自分が出来ることを選択し、しっかり実施する
- 教室でやったことを1つでも覚えて自宅で実施する
教室だけで終わらず、運動を習慣づけるためです。やり続けると出来ることが増え、参加者は満足し、楽しく教室に通ってくれるようになりました。
教室中に起きた東日本大震災
午後から教室がある日の朝、私は花粉症がひどく、咳もでていたのでリコンディション代表の田中に代行を頼みました。教室は14時から15時です。後15 分で終了だなと時計をみた時、部屋が大きく揺れました。
2011年3月11日 14時46分、東日本大震災です。
教室の会場は5階で、参加者はエレベーターで移動しています。参加者の状況は田中が戻ってきて教えてくれました。
「電気が止まったから、エレベーターも止まっちゃってさ。参加者をどう誘導するか考えたんだけどそんな必要なかったんだよ。ほぼ運動終わってた時だったから、体が動きやすくなってるんだよね。皆さん、5 階から自力で階段降りたんだよ。」
地震で得た自信
震災後、はじめての教室で、参加者のお休みはおらず、私を見ると当日の事を教えてくれました。
「しっかりした運動靴買ってよかったわ。帰ってから足が痛くなかったの。」
「水を持ってたから飲みながら帰れたわ。」
「火事場の馬鹿力かしら? 階段、あんなに降りたの若いとき以来よ。」
「運動した後だったからか、体が軽くて帰り、バスが来なくても歩いて帰れたの。」
「○○さんなんかカートを片手にもって階段降りてたものね(笑)。」
それを聴いた私は「なーんだ、皆さんやれば出来るんじゃないですか。なら、今日もサボらずやりますよ(爆笑)。」と大声で言いました。参加者もみんな大笑いして教室をはじめました。
継続は力なり
高齢者になればなるだけ、新しいことをやるのに尻込みします。ですが、何らかのよい経験をすると、高齢者ほど継続します。まさに継続は力なりを体感するのが高齢者です。
きっかけはいろいろなところに落ちています。家族できっかけ作りが難しいときは、運動教室やプロにお願いするのもよいでしょう。
年を取っても自分の脚でずっと歩ける
あなたの家族が笑顔で過ごせるキーワードになるかもしれません。
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