こんにちは。「女性の心と体を癒すかかりつけアドバイザーの松田幸子」です。前回は学校給食が家族の健康を支えるヒントになるお話をしました。
今回はその続きです。
私は日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士として、2016年から、サッカーJ1チームのホームタウンの小学校を巡回し、昨年までに9000人を超える子どもたちへ食育授業をしてきました。現在も実施中ですが、この間に先生方と「塩味」について意見交換することが多いと感じます。
学校給食の塩味はかなり薄くなっていると思います。私たちのような大人にはそれでちょうどよいですし、かなりの子どもがそれを美味しいと食べていますが、子どもによっては味が薄いと食べず、残してしまうことがあります。
このような児童は好き嫌いでは無く、味が薄く感じて美味しくないと感じるようです。
『令和2年学校給食摂取基準の策定について』ではこのような報告があります。
ただし、食塩については、「学校給食のある日」と「学校給食のない日」とも不適合率が高く、家庭における食塩の摂取過剰の現状を踏まえると、学校給食における対応のみでは限度があり、家庭においても食塩の摂取量をできる限り抑制する取組が必要である。
令和5年「国民健康・栄養調査」の食塩摂取量は成人男性で10.7g、成人女性で9.1gと報告されています。日本人の食事摂取基準(2025年版)は
- 健康な国民の健康維持・増進
- エネルギー・栄養素欠乏症の予防
- 生活習慣病の予防
- 過剰摂取による健康障害の予防
を目的として策定され、食塩相当量の目標値は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。現在、日本人の食事摂取量がを目標値を大きく超えているのがわかるでしょう。
いくら給食で減塩をしていても、1日3回の食事の1回です。2回は家庭で家族が作った食事や買ってきた物、また外食などで子どもは食事をします。大人が美味しいと思っても、子どもにとって食塩量が多い可能性があるということです。まずは大人が味を薄く=食塩を適正量に近づける努力をすることが子どもたちの健全な体づくりに役立つでしょう。
前回、皆さんにお伝えした給食の献立表には食塩相当量が記載されています。また給食の献立には普段、家庭で作っているものもあるでしょう。実際に使っている食塩量と献立表に書かれている食塩量を比較してみると、今の味付けがどうか理解出来るでしょう。また、子どもに給食と家庭の味の違いを聞いてみるのもよいでしょう。学校によっては給食を保護者が食べるイベントを設けていることもあるので、喫食できるチャンスは逃さないでください。
学校給食の配付資料や行政・給食センターサイトの掲載物は子どもだけではなく、家族の健康にも役立ちます。早速チェックしてください。
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