人生100年時代

「やる気が出ない」のは気合の問題ではない、50代からの脳と血流の話

「やらなきゃいけないのに、腰が重い」
「アイデアを出さなきゃいけないのに、頭が働かない」

50代になると、こうした状況を年齢や精神論で片付けがちです。

そう、私たちは「気合で乗り越えろ」と言われた世代。

しかし、今、やる気が起きないのは、あなたの意志が弱いからでも、だらけているからでも、年をとったからでもありません。単に、脳に血液(酸素)が十分に行き渡っていないだけなのかもしれません。

この記事は、最近「やる気が出ない」と感じることが増えてきた人のために、脳のメカニズムについてわかりやすく書いたものです。

「面倒くさい」と脳のエネルギー不足との関係

脳は、体重全体の約2%ほどの重さしかありませんが、全身で使われる酸素の約20%も消費すると言われています。つまり脳は、小さいわりに、かなりのエネルギーを必要とする器官です。

その脳がきちんと働くためには、安定した血流が欠かせません。酸素は血液によって運ばれるからです。

脳が「省エネモード」になると…

ところが、長時間座ったままだったり、活動量が減ったりすると、血液は重力の影響で下半身にたまりやすくなります。年齢を重ねると、血液を押し戻す筋肉の働きも弱まりやすくなり、脳への血流が十分に保たれにくくなる傾向があります。

この状態が続くと、脳は自然と「省エネモード」に入ってしまいます。

新しいことを考えたり、意欲を引き出したりするよりも、「今は負荷をかけないほうがいい」と脳が判断している状態です。この省エネモードこそが、「やる気がでない」の正体です。

これは性格や根性の問題ではありません。年齢も関係ありません。体の仕組みとして起きている反応であり、特別なことではないのです。

「第二の心臓」下半身が脳を助ける理由

では、脳に安定した血流を供給するためにはどうしたいいのでしょうか。

そこに大きく関わっているのが、下半身の筋肉です。足の筋肉は、縮んだり緩んだりすることで、血液を心臓へ押し戻す役割を担っています。

立ち上がる、歩く、足を動かす。こうした動きがあることで、血流がよくなり、脳にも血が巡るようになります。

例えば、「歩いているときにアイデアが浮かんだ」といったように、座ったまま考え続けるより、少し体を動かしながら考えたほうが、頭が整理されやすいと感じる人が多いのも、その理由です。動くことで血流が促され、脳に必要な酸素が届きやすくなるのです。

「やる気スイッチ」はいつ入る?

よく「やる気スイッチ」という言葉が使われます。この「やる気スイッチ」は、脳の「側坐核(そくざかく)」のことを指すことがあります。

この側坐核は、じっと待っていても反応しません。「何か行動を始める」ことで初めてスイッチが入る特性を持っています。「やる気が出たから動く」というよりも、「動いてみたら、やる気が出てきた」ということの方が、置きやすいのです。

やる気がでないなら、まずは動いてみる

もし今、以前よりやる気が続きにくいと感じているなら、まずは動いてみるのも1つの手です。気持ちを立て直そうと考えるよりも、動くことで気分が明るくなるかもしれません。

やる気が出ないときは、自分を責める前に、脳と血流の状態を考えてみてください。それだけで課題がクリアにあるかもしれません。

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飯田みさ代

飯田みさ代

大人女子健康プロデューサー/ウォーキング講師

記者・編集者として日刊スポーツ新聞社に34年間勤務。紙面だけでなく、Webやモバイルサイトのコンテンツ制作にも長く携わる。ジュニアアスリートの食事を支える情報サイト「アスレシピ」では編集長を務め、成長期の子どもを持つ保護者、特に母親たちから多くの支持を集めた。

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