食文化

おせちのその先へ ―― 飾り切りの端材もごちそうに

特別企画「おせち料理」では、我が家のおせち料理をいくつかご紹介してきました。
第5回の「伊達巻」では、蒲鉾店からすり身を取り寄せることもお伝えしました。

すり身は400g 入り。1回は冷凍保存も可能です。(小田原 鈴松かまぼこ店)

伊達巻を少量で ―― 2/3サイズという選択

第5回でご紹介した伊達巻は、オーブン付属の天板を使い、卵10個分の分量です。
ただ、もう少しコンパクトに作りたいときは、天板の上に2/3ほどの大きさの小さな天板を“入れ子”のように重ねて使う方法があります。
この場合、卵6個・すり身100gで作ることができ、やや小ぶりな伊達巻になります。

大きな天板(黒)の上に小さめの天板(シルバー)をのせて卵液を入れています。
下から鬼巻きす、ラップ、焼けた生地(画像はクッキングシートが上にありますがこれを外し巻き作業に。

あえて第5回ではこの分量を紹介しなかったのは、
オーブン付属の天板の方が条件をそろえやすいと考えたから。
昔から続いてきた我が家の分量でお伝えしました。

伊達巻のあとの楽しみ ―― すり身は“さつま揚げ”に

伊達巻を作ったあとのすり身は、無駄にしません。
冷蔵庫にある手近な食材を混ぜ、揚げ焼きにして“さつま揚げ”にします。

大きなハンバーグのように成形し、フライパンにやや多めの油を入れて両面を焼く。
すり身自体に塩分があるので、味付けは不要です。

冷凍の枝豆と紅しょうがを入れました。自家製さつま揚げができます。

飾り切りのその先 ―― 端材は袋煮やカレーへ

おせちの飾り切りは、どうしても端材が出ます。
「もったいないからやらない」という選択もありますが、
食べられる部分は、きちんとおいしくいただきます。

おせち作りで出やすい半端な食材は、たとえば——
・きんとん用のさつまいもの皮
・にんじん、しいたけ、れんこん、こんにゃくの端
・さやえんどう、余った銀杏、ゆりね
・身欠きにしんの端や昆布の端など

昆布巻きのためのソフト身欠きにしん。右は昆布を巻くために切りそろえたものでこの後昆布を巻きます。左側が切りそろえた際の端の部分などです。これらだけで量があれば単独で煮物にもなりますが少ない場合はこれも袋煮に合流。

これらは捨てずに、油揚げに詰めて袋煮に。
それだけで、立派なおかずになります。

油揚げは、数枚入りで手頃なものをあらかじめ用意しておくと便利です。
かんぴょうがなければ、つまようじでも構いません(食べるときは注意を)。

準備中の油揚げの袋。色々混ざるからよりおいしい。
うまみたっぷりの袋煮。

また、まとめてカレーの具材にしてしまうのも良い方法です。

「残さない」という、昔からの考え方

欲しいものが何でも手に入る時代ですが、
残さず食べること、
食べ物や作り手に感謝する気持ちは、
これからも大切にしていたいと思っています。

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月野和美砂

月野和美砂

季節の手仕事で整える 食文化ナビゲーター

公認スポーツ栄養士・管理栄養士。元教員。八ヶ岳と行き来しつつ、神奈川県を中心にスポーツ栄養セミナー、子育て期の保護者向け講習会をリアル・オンラインで行う。鍼灸柔整専門学校で栄養学も担当し身近な話でわかりやすい!と好評。時短や簡便な料理が全盛な世の中でも、季節の手仕事や各地の郷土料理など“つくる楽しさを味わう”ことを大切にしたいと考えている。食を通してからだもこころも「整える暮らし」を提案する。

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