人生100年時代

木の香りのハンドマッサージで認知症予防、忙しい日々のストレスを癒す1分ケア

50代になると、心も体もこれまでとは違う変化を感じる方が多いのではないでしょうか。

「集中力が続かない」「イライラしやすい」「夜ぐっすり眠れない」――。

仕事や家庭を支える世代だからこそ、ストレスが積み重なりやすく、小さな不調を抱えながら毎日を過ごしている女性も少なくありません。

ストレスで病名のつかない不調

厚生労働省の調査では、仕事や生活の中でストレスを感じている人は約6割にのぼり、その多くが「肩こり」「慢性的な疲労」「冷え」「集中力低下」といった“病名のつかない不調(不定愁訴)”を訴えています。これらは更年期世代の女性にとっても大きな悩み。放っておけば生活の質を下げ、将来の健康にも影響します。

「第二の脳」の手をマッサージ

ストレス改善にマイクロブレイクが効果的と話す石原新菜副院長

こうした不調をケアする方法として、近年注目されているのが「ハンドマッサージ」です。イシハラクリニックの石原新菜副院長は、「手は“第二の脳”と呼ばれるほど神経が集中しており、マッサージや温めによって自律神経が整い、血流も改善されます」と話します。

特にオフィスや自宅での「マイクロブレイク(1~2分の短い休憩)」にハンドマッサージを取り入れると、心身をリセットする効果が期待できるといいます。「病名のつかない不調の多くは、交感神経の張り詰めすぎが原因ですから、こまめなケアが大切です」(石原副院長)。

マイクロブレイクとは、短い休憩のこと。1〜2分の短い休憩をこまめにとることで、集中力や生産性の回復、疲労軽減に効果があると示されています(Kimら, 2022)。40代~50代の女性は、更年期やホルモン変化により疲労感や肩こりが出やすく、長時間の作業や家事の合間に深呼吸やストレッチ、軽い散歩を取り入れるだけで血流が促進され、気分もリセットされます。オフィスワークだけでなく、買い物や料理中にも取り入れやすい健康習慣です。

ヒノキの香りが脳を活性化

杏林大学の古賀良彦名誉教授は、クリームをつけたハンドケアのモニター試験を行い、無香料のものとヒノキの香り付きクリームを比較し、脳に及ぼす影響がどう違うのかを調べました。

その結果、無香料のクリームに比べ、ヒノキの香りを加えた方が前頭葉の血流が著しく増加。前頭葉は「注意力」「記憶力」「判断力」など高次の認知機能を担う場所であり、ここが活性化することで作業効率が上がるだけでなく、将来的な認知症予防にもつながる可能性があると結論付けました。

さらに、

・不安感を測定する心理テストでは、香りのある方がよりリラックス効果が高い
・ストレスホルモン(クロモグラニンA)の増加が抑えられる
・集中力テスト(クレペリン検査)でも注意力の低下が少なかった

という結果も出ています。

これによって、香りを加えたハンドマッサージは「ストレスを和らげながら、脳の力を守る」ということが明らかになりました。ハンドマッサージは単に手の皮膚や筋肉を刺激するだけでなく、ストレス軽減や注意力の持続効果、さらに認知機能を向上させる大きな役割を担うものなのです。

忙しいときこそ「1分ケア」

50代の女性は、家事や仕事、人間関係に追われることが多く、「自分のために時間をとるのは贅沢」と感じるかもしれません。ですが、マイクロブレイク中のハンドマッサージなら、1分でセルフケアができます。ハンドクリームがあれば、ほかに特別な道具はいりません。

◆マイクロブレイク中のハンドマッサージ 実践のステップ

  • ハンドクリーム0.5g(指先から第1関節までの量)を手に取り、手の甲にのせる
  • 手の甲を合わせ、少しずつ両手に広げる
  • 手のひらを使ってすりこむように、親指側から小指側へなじませる
  • 指の1本1本、丁寧にぬりのばす
  • 爪の周りを押しながら指先をマッサージ
  • 指の股は乾燥しやすいのでケアを忘れずに
  • 親指と人差し指の間を気持ちの良い強さで押す
  • 最後に、両の手のひらを鼻にかざして、深呼吸しながら香りをかぐ(深呼吸を3回)

この時間、わずか1分。たったこれだけで、気持ちが落ち着き、頭がすっきりします。お好みの香りを使うと、呼吸も深まりやすくなります。

香りとマッサージ、私も取り入れてみた

私も最近、ハンドマッサージをこまめに取り入れるようにしてみました。クリームを選ぶ際に、香りは大きなポイント。リラックスできたり、モチベーションがアップしたり、香りによって気分が変わります。

ユースキンのkinokaシリーズ。左からサンダルウッド、ヒノキ、クスノキの香りの3種類

今月から店頭に並ぶヒノキの香りのするハンドクリーム(ユースキン製薬、kinoka)は、森に包まれているような安心感がわき、マッサージしていると気分が落ち着くのを感じています。

何より良かったのは、べたつかない使い心地。パソコン作業の合間にマイクロブレイクをとることが多いので、すぐにパソコンのキーボードに戻っても、指先が気になりません。40g入りのチューブなので持ち運びも便利。これなら、オフィスでも自宅でも気軽に使えます。

未来の自分を守るために

50代は、体や脳の健康に気を配り始める大切な時期でもあります。お好きな香りを取り入れたハンドマッサージは、今のストレスをやわらげ、未来の認知機能を守る“投資”になる習慣です。

肌もしっとりして、心までやわらぐ。オフィスでも、家事の合間でも、就寝前でも。忙しいからこその1分ケア、習慣にしてみませんか。

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飯田みさ代

飯田みさ代

大人女子健康プロデューサー/ウォーキング講師

記者・編集者として日刊スポーツ新聞社に34年間勤務。紙面だけでなく、Webやモバイルサイトのコンテンツ制作にも長く携わる。ジュニアアスリートの食事を支える情報サイト「アスレシピ」では編集長を務め、成長期の子どもを持つ保護者、特に母親たちから多くの支持を集めた。

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