私は現在17歳の犬と暮らしています。犬の老化は人の4〜7倍の速度で進行すると言われており、子犬の頃と変わらず愛らしいのですが、すっかり老犬です。排泄や移動の介助が必要で、食事も食べやすいようにペースト食にして手作りしています。介護は大変ですが、オムツを嫌がるので可能な限り使わず、犬の尊厳も大切にしています。
母は義父や父の介護を長年してきました。そんな様子を見ていて、介護する人は本当に大変ですが、される側にも辛さがあるのだと思うことが度々ありました。
介護者の大変さについて
介護者の負担は「身体的」「精神的」「経済的」「社会的」の4つに分類されます。
- 身体的負担:長時間の介助や夜間の見守り、移乗や排泄介助などにより、腰痛や慢性的な疲労が蓄積しやすくなります。特に高齢の配偶者が介護者である場合、ご自身が要介護予備軍となるリスクも高まります。
- 精神的負担:認知症や感情の変化に対応する中で、怒りや悲しみ、無力感を抱くことがあります。介護うつやバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る方もおり、支援の手が届きにくい現状もあります。
- 経済的負担:介護離職による収入減や、介護用品・施設利用料などの支出が家計を圧迫します。中高年層では、教育費や住宅ローンとの両立が困難になるケースも見られます。
- 社会的孤立:介護によって外出や交流が制限され、孤立感が強まる傾向があります。地域とのつながりが希薄になることで、支援を求める機会も減少してしまうこともあります。
介護される人の辛さについて
一方で、介護される人も身体的な不自由さだけでなく、自尊心の揺らぎや孤独感に苦しむことがあります。
- 自立の喪失感:排泄や入浴などの基本的な生活動作を他者に委ねることは、羞恥心や無力感を伴います。特に元気だった頃とのギャップが大きいほど、精神的なダメージは深くなります。
- 申し訳なさと遠慮:介護者に負担をかけているという意識から、感情を抑えたり、必要な支援を言い出せなかったりすることがあります。これが結果的に介護者の負担を増やす悪循環につながることもあります。
- 孤独と疎外感:身体機能の低下により外出や交流が減り、社会とのつながりが希薄になります。家族との会話も介護中心になり、感情的な交流が減少する傾向があります。
- 認知症や精神疾患による不安:自分の変化に気づきながらも言葉にできず、不安や混乱を抱える方もいらっしゃいます。これにより、介護者との関係がぎくしゃくすることもあります。
これらのことを考えると、やはり介護されなくて済むことが望ましいですね。
介護予防として気をつけたい10のこと
- 筋力とバランスを維持する運動習慣
→ 筋トレ+ウォーキングで、転倒・骨折・サルコペニアを予防します。 - たんぱく質とカルシウムを意識した食事
→ 筋肉・骨の維持に不可欠。魚・豆・乳製品・卵などを毎食に取り入れましょう。 - 口腔ケアと咀嚼力の維持
→ 認知症・誤嚥性肺炎の予防に直結。歯科受診とよく噛む習慣が重要です。 - 睡眠の質を整える
→ 成長ホルモン分泌や認知機能維持に関与。就寝前のスマートフォンや飲酒、カフェインを控え、睡眠環境を整えましょう。 - 排泄・膀胱機能のセルフチェック
→ 尿漏れ・頻尿は要介護のきっかけになりやすい。骨盤底筋トレーニングが有効です。 - 定期的な健康診断と数値管理
→ 高血圧・糖尿病・脂質異常症は要介護リスクを高めます。年1回の健診結果を確認し、数値改善に努めましょう。 - 社会参加と人とのつながりを保つ
→ 孤立は認知症・うつ・生活不活発病の原因に。地域活動や趣味の場に積極的に関わりましょう。 - 認知機能を刺激する習慣
→ 読書・計算・料理・会話など、日常の中で脳を使うことが予防につながります。 - 転倒・骨折を防ぐ住環境の整備
→ 段差・滑りやすい床・暗い照明などを見直し、手すりや滑り止めの設置を検討しましょう。 - 「自分でできること」を維持する意識
→ 介助される前に「自分でできる力」を守ることが最も重要です。小さな動作でも自立を意識しましょう。
まとめ
介護は他人ごとではありません。早めに対策することで予防できることがたくさんあります。いつまでも自由に動くことができれば、高齢になっても生活を楽しむことができます。動ける体を維持したいですね。
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