食事

食品ロスと健康の意外な関係 ―サステナブルな食事が体に良い理由―

「食品ロス」と聞くと、環境問題や社会課題のイメージが強いかもしれません。
実は、食品ロスと“私たち自身の健康”が深くつながっています。

実は、食品ロスを減らす行動は、

  • 食生活の質を上げ
  • 体調を整え
  • メンタルにも良い影響を与え
  • 家計にも優しい

という“四方良し”の健康行動なのです。

私は学生時代から1人暮らしをしていましたが、自炊中心だった学生時代に比べ社会人になり外食が増え、野菜をたくさん腐らせてしまった経験があります。また、その時の健康診断結果のコレステロール値が今までで1番高かったと記憶しています。

ここでは、最新の研究や現場の実感を交えながら、食品ロスと健康の意外な関係を説明します。

1. 食品ロスが多い家庭ほど、食生活の質が低い?

食品ロスは「もったいない」という感情だけの問題ではありません。
実は、食品ロスが多い家庭ほど、食生活の質が低い傾向があることが複数の研究で示されています。

理由はシンプルです。

  • 食材を使い切れない
  • 冷蔵庫の中身を把握できていない
  • 賞味期限切れが多い
  • 衝動買いが多い
  • 結果として加工食品や外食に頼りがち

つまり、食品ロスは“食生活の乱れ”のサインでもあるのです。

逆に、食品ロスが少ない家庭は、

  • 計画的に買う
  • 必要な量を把握している
  • 自炊が多い
  • 野菜を無駄なく使う

という特徴があり、自然と栄養バランスが整いやすくなります。

食品ロス対策は、実は食生活改善の近道でもあるのです。

2. 「使い切る」ことが健康につながる理由

食品ロスを減らす行動は、健康的な食習慣と驚くほど相性が良いのです。

① 野菜を“使い切る”ことで摂取量が増える

野菜は傷みやすく、家庭の食品ロスの大部分を占めます。
しかし、
「買ったから使い切ろう」
という意識があると、自然と野菜の摂取量が増えます。

  • 皮ごと調理
  • 茎や葉も使う
  • まとめてスープにする
  • 作り置きに回す

こうした工夫は、栄養価のアップにもつながります。

② 冷蔵庫の整理=食行動の整理

冷蔵庫が整うと、

  • 何があるか把握できる
  • 無駄な買い物が減る
  • 衝動的な外食・間食が減る

これは行動科学でも知られる「環境整備による行動変容」です。
食環境が整うと、食行動も整いやすくなります。

③ 旬の食材を選ぶようになる

食品ロスを減らす人は、旬の食材を選ぶ傾向があります。
旬の食材は

  • 栄養価が高く
  • 保存性が良く
  • 価格も安い

というメリットだらけ。

サステナブルでありながら、健康にも家計にも優しい選択です。

3. “サステナブルな食事”はメンタルにも良い

意外かもしれませんが、食品ロスを減らす行動はメンタルヘルスにも良い影響を与えます。

  • 食材を使い切る達成感
  • 冷蔵庫が整う安心感
  • 無駄が減ることでの自己効力感
  • 地球に良い行動をしているという満足感

これらは心理学でいう「ウェルビーイング(幸福感)」を高める要素です。

また、サステナブルな行動は“自分を大切にする行動”とセットになりやすく、

  • 睡眠
  • 運動
  • 食事

などの生活習慣も整いやすくなることが報告されています。

4. 食品ロスを減らすと、腸にも優しい?

食品ロス削減のために

  • 野菜の皮
  • きのこの軸

などを活用するようになると、食物繊維の摂取量が自然と増えます

食物繊維は腸内細菌の大好物。
腸内環境が整うと、

  • 便通改善
  • 免疫力アップ
  • メンタル安定
  • 代謝改善

など、全身に良い影響が広がります。

「使い切る」ことが、腸活にもつながるのです。

5. 今日からできる“サステナブル × 健康”の実践

難しいことは必要ありません。
食品ロス削減は、小さな行動の積み重ねで十分です。

① 買い物前に冷蔵庫を1分チェック

これだけで無駄買いが激減します。

② 野菜は“丸ごと使う”を意識

皮・茎・葉は栄養の宝庫。

③ 週に1回「使い切りデー」を作る

残り野菜のスープやカレーは最強。

④ 冷凍を味方にする

余りそうな食材は早めに冷凍。

⑤ 旬の食材を選ぶ

栄養価・価格・保存性の三拍子が揃う。

まとめ:サステナブルは“自分の健康”にも返ってくる

食品ロスを減らすことは、

地球のため、社会のため
だけではありません。

    実は、
    自分の体と心を整えるための行動でもあります。

    • 食生活が整う
    • 野菜が増える
    • 腸が整う
    • メンタルが安定する
    • 家計も助かる

    サステナブルな食事は、未来の健康への投資。
    今日の買い物、今日の調理から、無理なく始めてみてください。

    参考

    1. 農林水産省(2023)『食品ロス削減のための手引き』  
    2. 国立健康・栄養研究所(2021)『健康な食環境づくりと行動科学』  
    3. FAO(2019)The State of Food and Agriculture: Food Loss and Waste Reduction.
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    今井久美

    今井久美

    食事で未来を変える栄養プランナー

    管理栄養士。長年にわたり、病院やクリニックでの栄養相談・保健指導に従事。糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病改善、予防のための減量など、個別の状態に寄り添った栄養指導を得意とする。また、栄養士・管理栄養士を養成する専門学校の教員として14年間勤務し、後進の育成にも尽力。「今よりもっと健康で美しく」をモットーに、食事を通じて心と体の両面から健康をサポートしている。

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