大人の病気

梅雨の体調不良は、「寒暖差」「冷え」「カビ」が関係しているかもしれません

「朝は長袖だったのに、昼間は汗ばむ暑さ。」
「暑くなると、つい冷たい飲み物やアイスを選んでしまう。」
そんな毎日が続くと、「なんとなくだるい」「鼻がムズムズする」と感じる方も少なくありません。

40~50代は、更年期によるホルモンバランスの変化もあり、自律神経がゆらぎやすい世代です。
そこへ梅雨特有の寒暖差や湿度の高さが重なることで、不調を感じやすくなります。
特にアレルギー体質の方は、カビやダニなどの影響も受けやすいため、この時期ならではの対策も意識したいところです。

梅雨から夏を元気に乗り切るためのポイントは、「寒暖差対策」「胃腸の冷え予防」「カビ対策」です。

今日からできる小さな習慣で、体の土台を整えていきましょう。

日ごとの寒暖差が、自律神経を疲れさせる

梅雨は一日の気温差だけでなく、「昨日より10℃近く低い」「翌日は真夏日」というように、日ごとの寒暖差が大きくなる季節です。

私達の体は、自律神経の働きによって体温を一定に保っています。暑い時は血管を広げて汗をかき、寒い時は血管を縮めて熱を逃がさないように調整しています。しかし、激しい寒暖差が続くと、自律神経は休む間もなく働き続けるため、オーバーヒートを起こしてしまいます。

寒暖差が続くと、自律神経は休む間もなく働き続けるため、

  • 朝起きても疲れが取れない
  • 睡眠の質の低下
  • 肩こりやだるさ
  • 鼻炎や肌荒れが気になる

といった不調につながることがあります。

また、近年増えている「ゲリラ豪雨」でも、急激な気温と気圧の変化で、頭痛や肩こり、生理痛やPMSの悪化などの症状が強く感じられる方もいます。

「年齢だから仕方ない」と思いがちな症状も、実は季節の影響を受けていることは少なくありません。
すぐに羽織れる上着を一枚持ち歩いたり、室内の冷房で体を冷やし過ぎないよう意識したりするだけでも、自律神経への負担を軽減できます。特に、首、手首、足首は冷やさないように注意しましょう。

「冷たいもの」の先取りが、胃腸を疲れさせることも

暑さを感じ始めると、冷たいお茶やアイス、氷たっぷりの飲み物がおいしく感じられます。

もちろん我慢する必要はありません。しかし、本格的な夏を迎える前の体は、まだ暑さに十分慣れていません。
この時期に冷たいものばかり続くと、胃腸が冷え、消化や吸収の働きが低下しやすくなります。

腸は、食べ物を消化するだけでなく、体を守る免疫機能とも深く関わっています。
腸には体を守る免疫機能に関わる細胞が多く集まっています。アレルギー体質の方にとっても、健やかな日々を送る大切な体調管理の土台作りの1つにもなります。

体の土台を整える 小さな食習慣

冷たい飲み物をゼロにする必要はありません。

例えば

  • 最初の一杯は常温の水やお茶を心がける
  • 食事には温かい汁物を一品添える
  • 冷たい食事やおやつが続かないよう、温かい飲み物や食事も組み合わせる
  • よく噛んで、ゆっくり食べる

そんな小さな工夫だけでも、胃腸への負担は軽減できると思います。

さらに、毎日の食事では食物繊維や発酵食品を意識して取り入れることもおすすめです。

食物繊維は野菜だけでなく、きのこ、海藻、ごぼう、こんにゃく、豆類、などにも豊富に含まれています。
発酵食品は、ヨーグルトや味噌、納豆のほか、ぬか漬けなども選択肢の一つです。ご自身の体質や食物アレルギーに合わせて、無理なく取り入れられるものを選びましょう。

「毎食完璧に」ではなく、「きのこや海藻をたっぷり入れた味噌汁やスープにしよう」など一日一回でも、食物繊維が豊富な食材を取り入れることを意識してみましょう。

アレルギーや不快感の原因になる「カビ対策」

梅雨は湿度が高く、カビが繁殖しやすい季節です。
カビはアレルギー症状だけでなく、空気の質を悪化させ、不快感や不快な臭いの原因になることもあります。
意外と見落としやすいのが、エアコン内部です。

冷房を使い始めると、内部には結露ができ、カビが繁殖しやすい環境になります。その状態で運転すると、カビの胞子やホコリが室内に広がることがあります。

「冷房をつけるとくしゃみが増える」
「家の中なのに鼻がムズムズする」

思い当たる方は、一度エアコンの状態を確認してみることもおすすめです。

  • フィルターを掃除する
  • 吹き出し口の汚れを確認する
  • 必要に応じて内部クリーニングを依頼する

といった準備を済ませておくと、快適な夏本番を迎えやすくなります。

エアコン以外に後回しにしがちな浴室の換気扇洗濯槽の掃除も、梅雨時期のカビ対策に有効です。また、晴れ間には換気を行い、湿気がこもりがちなクローゼットや押し入れにも空気を通しましょう。
室内の湿度は50~60%を目安に保つと、カビ対策にも役立ちます。

毎日の「小さな積み重ね」が、夏の元気につながります

体調を整えるために、特別なことを始める必要はありません。

  • 寒暖差に合わせて服装を調整する
  • 冷たいものを続けて食べ過ぎない
  • 食物繊維や発酵食品を一品プラスする
  • 湿度管理と換気を心がける
  • 夏本番前にエアコンを掃除する
  • 軽いストレッチを習慣にし、巡りの良い体作りを心がける
  • スマホ時間を減らし目と脳を休める

こうした小さな習慣が、自律神経や腸内環境を整え、アレルギー症状に負けない体づくりにもつながります。

毎日の食事と暮らしを少し見直すことが、夏を元気に過ごすための一番身近なセルフケアになります。
身体は急な変化を実感できませんが、優しい小さな習慣は少しずつ体調を支えてくれます。
今年の夏を元気に過ごすために、今日できることから始めてみませんか。

【参考文献】

1 Mark J Mendell, Anna G Mirer, et al: Respiratory and Allergic Health Effects of Dampness, Mold, and Dampness-Related Agents: A Review of the Epidemiologic Evidence. Environ Health Perspect. 119(6):748–756,2011

2 Chenqiu Du, Baizhan Li, et al: Characteristics of annual mold variations and association with childhood allergic symptoms/diseases via combining surveys and home visit measurements.
Indoor air. 32(9):e13113,2022

3 Juan Wang a, Zhuohui Zhao, et al: Asthma, allergic rhinitis and eczema among parents of preschool children in relation to climate, and dampness and mold in dwellings in China. Environment International. 130:104910, 2019

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乳井美和子

乳井美和子

アレルギーと環境起因疾患から身を守るサポーター

管理栄養士。長年食物アレルギーなどのアレルギー疾患患者の食事や生活指導を行っている。食事や環境を整え、より豊かな暮らしに導くヒントを広める活動を展開中。

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