食文化

のせて包んで混ぜて、海苔を使った簡単レシピと食卓が盛り上がる豆知識/海苔でいこう(後編)

前編「今こそ家庭で海苔を食べるべき理由、日本食の「準主役」実力」では、日本人と海苔の歴史、海苔の栄養価をもとに、今こそ大人世代が海苔を食卓に取り入れるべきだと記しました。後編では、東京・浅草で明治27年創業、130年の歴史を持つ海苔の老舗・小善本店が提案する海苔を使った簡単レシピや、食卓が楽しくなる海苔の豆知識やうんちくをお伝えします。

海苔の簡単アレンジレシピ

シンプルな海苔弁

<材料>
白米…お茶碗1杯分
焼き海苔…1枚
醤油…小さじ1
かつお節…4g

作り方>
❶ お弁当箱に半量のご飯を詰め、平にならす
❷ かつお節を薄く広げて、醤油を全体にかける
❸ 残りの白米ものせて平にして、ちぎった焼き海苔をのせる

さっぱり野菜の海苔包み

<材料>
キャベツ…80~100g
あさつき…2~3 本(万能ネギでも可)
ごま油…小さじ1
レモン…1/8 カット
塩…少々
味付け海苔…8枚

<作り方>
❶キャベツを千切り、あさつきを長めに切る
❷ボールに①を入れて、塩、レモンを絞ってごま油で和えれば完成。海苔にのせてお召し上がりください

チュモッパ

<材料>
ごはん…200g
キムチ (きざみ)…30g
クリームチーズ(角切り)…30g
いりごま… 小さじ1
韓国のり…三枚
小ネギ(小口切り)…適量

<作り方>
❶ボウルに材料を入れて混ぜ合わせる
❷一口大に丸める
❸お皿に盛り付けて、ネギをかける

花束風ポテトサラダ

<材料>
ポテトサラダ…200g
お好みの具材…100g(タコさんウインナー、カイワレ大根、サーモン、厚焼き卵、カニカマ)

<作り方>
❶お好みの具材を細く切る
❷焼き海苔を4分の1に切る
❸海苔に具材をのせて巻けば完成

アボカドサラダ

<材料>
アボカド…200g
焼き海苔…2 枚
ミニトマト…2個

<作り方>
❶アボカドとミニトマトをくし切りにする
❷ボウルに切ったアボカドとちぎった焼き海苔とごま油と醤油を加え、よく和える
❸②をお皿に盛り付けて、トマトをのせたら完成

レシピ、画像はすべて小善本店提供

海苔の代表的な品種

海苔の主な種類としてアサクサノリ、スサビノリ、ウップルイノリなどがあります。アサクサノリ、スサビノリは養殖がメインのアマノリ類。アサクサノリは、昭和30年頃までは全国各地で養殖されていましたが、海況の変化や病害に弱く、絶滅の危機に瀕しています。代わりに現在、最も広く用いられているのが、スサビノリです。

ウップルイノリは、波当たりの強い岩に着生し、スサビノリに比べると固いものの、風味の強さを特徴とする「岩海苔」です。ただし、養殖されると「岩海苔」と称することができなくなります。

海苔の種類について

海から採った状態のままのものを「生海苔」、生海苔をミンチして成型し、乾燥したものを「乾海苔」、「乾海苔」を焼いたものを「焼海苔」と言います。また、海苔の葉体をそのまま乾燥させたものを「バラ干し海苔」。乾燥させた状態のものは「黒バラ」、焼いたものを「焼バラ」と言います。

画像提供=小善本店

海苔には裏表がある

一般的な海苔は、ツルツルしていて光沢のある方が「表」、ザラザラしていて光沢のない方が「裏」です。

裏表ができるのは、生海苔を乾海苔に加工する時に細かくカットしてから海苔すだれに広げて乾燥させるため、すだれに触れていない面はツルツルになり、触れている面ははがす時に毛羽立つためザラザラになるからです。ザラザラになった部分を「海苔足」と言います。

おにぎりに巻くときは、裏面にご飯をのせて巻く方が、見栄えも食べたときの舌ざわりも良くなります。

海苔のサイズと数え方

板状の海苔は全国統一の縦21cm× 横19cmという規格があり、これを「全形(全型)」と言います。全形を縦に半分にしたものを「半切」、3 分の1にしたものを「三切」、6 分の1にしたものを「六切」と言います。

海苔は10 枚で「1帖(じょう)」、10 帖を「1把(わ)」として束ねます。


画像提供=小善本店

海苔の3大生産国と日本の産地

海苔の産地として世界一の生産量を誇るのは韓国。味付け海苔として、欧米にも広く流通させています。中国も黒海苔の生産を拡大し、生産量は日本と拮抗、日本市場にも輸出を広げています。日本の海苔は、その品質と風味で世界的に評価されています。

日本国内の海苔の産地

  • 宮城=国内海苔の主産地では最北に位置。親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかる栄養豊かな漁場で「寒流のり」という名前でブランド化されている。
  • 千葉=東京湾地区の主力漁場として本場ブランドを格付けされた産地。香りの良さが特徴。
  • 伊勢湾=北は伊勢湾奥部の木曽川河口域の桑名地区から、南は伊勢湾湾口部の鳥羽まで黒海苔を養殖。鳥羽以南はアオノリ類(ヒトエグサ)の養殖を主に行っている。
  • 瀬戸内=業務用の一大産地で、生産量は全国の約3割。
  • 九州=有名な「有明海苔」ブランドの産地。生産量は全国の約4割。

海苔の魅力について深く知れば、もっと身近に感じられるはず。主役にはなれない存在でありながらも、ないと物足りない「準主役」である海苔。美容と健康のために、日常の食事の中でもっと取り入れていきましょう。

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飯田みさ代

飯田みさ代

大人女子健康プロデューサー/ウォーキング講師

記者・編集者として日刊スポーツ新聞社に34年間勤務。紙面だけでなく、Webやモバイルサイトのコンテンツ制作にも長く携わる。ジュニアアスリートの食事を支える情報サイト「アスレシピ」では編集長を務め、成長期の子どもを持つ保護者、特に母親たちから多くの支持を集めた。

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