昔は、やる気がでないと、「気合が足りない」「気持ちがたるんでる」と言われたものです。でも、最新の研究で、気持ちではなく、モチベーションのカギを握るホルモンがあるということがわかりました。
ホルモンの名前は「ニューロメジンU(NMU)」。
聞きなれない名前ですが、このホルモンが私たちの「やる気スイッチ」と深く関係していることが、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域の相澤清香准教授らの研究グループによって明らかになりました。
やる気ホルモン「NMU」とは?
ニューロメジンU(NMU)は、哺乳類の脳や体のさまざまな部分に存在する小さなたんぱく質で、ホルモンとして働きます。
- 食欲を抑える
- エネルギー代謝を整える
- ストレスに対処する
- 免疫機能を調整する
これまでに、上記のような役割があることがわかっていましたが、今回新たに、「モチベーション=意欲的な行動」にも影響することが発見されました。
NMUが欠損すると何が起きる?
研究では、NMUを持たないラットを使って実験が行われました。
すると、次のような大きな変化が起きました。
・自発的な運動(回し車を走る活動)が激減
・男性ホルモン(テストステロン)の正常な1日のリズムが消失

このことから、「ホルモンのリズムが乱れると、やる気がなくなる」ことがわかりました。
テストステロンのリズムは、筋肉や骨の維持、精神の安定、代謝にも影響を与えるため、乱れることで更年期障害や生活習慣病のリスクが高まると考えられています。これは男性に限らず、女性の更年期の不調とも無関係ではありません。
どうすればNMUを守れる?
NMUが欠損する原因については、まだ人間における明確なデータはありません。ただ、NMUは体内時計(概日リズム)に連動して働いていることが知られており、次のような生活習慣の見直しが、NMUの働きをサポートする可能性が高いと考えられています。
✅ 朝は太陽の光を浴びる
✅ 夜は早めにスマホを手放す
✅ 睡眠リズムを整える
✅ バランスの取れた食事を心がける
✅ 適度な運動を習慣にする
つまり、生活リズムが整えば、ホルモンのリズムも整うということ。NMUの働きを支える毎日を心がけることが、“やる気が続く体”をつくる一歩です。
まとめ
やる気が出ないのは、決して「気持ちがたるんでいるから」ではありません。生活リズムが崩れることで、ホルモンバランスも崩れているのかもしれません。
やる気が起きなくて自己嫌悪に陥ってるなら、「やる気=ホルモン」の視点を持てば、自分に優しくなれるかもしれませんよ。言い換えると、からだの仕組みが、あなたに「ちょっと休もう」とサインを送っているのかもしれません。

もし、お子さんのモチベーションが上がらない…と悩んでいるなら、まずは生活を見直すこと。あれこれ考えるよりも、日常のリズムを整えることで自然とやる気も満ちてくるはずです。
しっかり食べて、適度に歩いて動いて、お風呂に浸かって寝る。まずはこれをやってみてください。
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